意味不明で曖昧な祝祭。ピノキオピーワンマンライブ「CREATURES」開催報告

意味不明で曖昧な祝祭。ピノキオピーワンマンライブ「CREATURES」開催報告

2025.10.16

ピノキオピーのワンマンライブ『「CREATURES」− Aimaina & Doushite 15th Anniversary −』(主催:株式会社HIKE、以下「CREATURES」)が10月11日、KT Zepp Yokohamaにて開催されました。本リリースでは公演を終えたピノキオピー本人のコメントを公開するとともに、ライブの模様をレポートします。

(写真:左からサガット、ピノキオピー、RK)

「CREATURES」は、“曖昧”をモチーフにしたオリジナルキャラクター「アイマイナ」と“疑問”をモチーフにしたオリジナルキャラクター「どうしてちゃん」の誕生15周年を記念するワンマンライブ。本公演のキービジュアルでは中心にいる現在のアイマイナ・どうしてちゃんを、円を描くように新旧入り混じったアイマイナ・どうしてちゃんが囲んでいます。

 

『「CREATURES」− Aimaina & Doushite 15th Anniversary −』レポート

オープニング〜前半パート

オープニングでは廃れた城を背景に、墓から出てきたアイマイナとどうしてちゃんがゾンビのようにフラフラと迫ってくるおどろおどろしい映像が流れる。そしてカウントダウン後、どうしてちゃんの叫び声が響き渡ると、銅鑼の音とともに紗幕が落ち、そこに現れたのは着ぐるみとなったアイマイナとどうしてちゃん。2体が2次元から3次元に飛び出すサプライズに、会場は早くも歓声に包まれた。

 

ピノキオピーの定番の挨拶も、「ピノキオピーと、アイマイナと、どうしてちゃんでございます!」とアニバーサリー仕様に。1曲目は2013年に公開された『ストレンジアニマル』、続いて今年6月の新曲『T氏の話を信じるな』と、公演のコンセプトを表すような新旧の楽曲が交錯するセットリストが展開された。

 

 

ピノキオピーが「Oh my god」と囁いて始まった『神っぽいな』では、観客が飛び跳ねてフロアが揺れるほどの盛り上がりに。さらに、『おばけのウケねらい』で観客は“ひゅ〜どろろ”と上げた手を左右に振ってさらにノッていく。5曲目は『恋するミュータント』。実験体であるミュータントの切ない恋物語がつづられた同曲は今回がライブ初演奏となった。

 

迎えた最初のMCパートでピノキオピーは「『CREATURES』でございます。どうしてちゃん、アイマイナ15周年記念ライブと銘打ったイベントでございます。おめでとう」と、アイマイナ&どうしてちゃんを祝福。さらに、どうしてちゃんが初めて動画に登場したのは『恋するミュータント』、2体はキャラクター好きなピノキオピーが「動画の中にいてほしい」という思いつきから生まれたなど、ファンにとって貴重な裏話が語られた。

中盤パート

そんなピノキオピーが、「アイデンティティがよくわからない2人(アイマイナとどうしてちゃん)のために」と披露したのは『エゴイスト』。「わたしはわたしをやっていくしかない」という歌詞が、アイマイナとどうしてちゃんの歩みを象徴。新規映像とともに、2体の存在意義が浮かび上がる。

ここから地球外生命体が主人公の2曲、『はじめまして地球⼈さん – HUMAN ver. -』、『404』とつないでいく。『404』では途中の歌詞「BAN」に合わせて観客が腕を突き上げて、ピノキオピーに呼応する。そして続いたのは『⼈間なんか⼤嫌い+』。繰り返されるキャッチーなメロディと、スクリーンに流れるMVが合わさった中毒性の強い一曲で観客の心をさらにハックした。

 

10曲目の『東京マヌカン』、次の『愛されなくても君がいる – LOVE remix -』では、前者で人間から非人間への愛、後者でその逆の愛を対比。そして最新曲『愛属性』が流れると、会場に驚きに近い声が起こった。同曲は10月3日に公開されたばかりながらもYouTubeの再生回数が200万回を突破している。観客が「愛、愛、うるせえ、もう一回」と叫ぶ場面は、『愛属性』が多くのファンの心に刺さっていることを証明していた。

『超主人公』ではピノキオピーの「みなさん、超主人公ですか?」との問いかけに観客が歓声で応え、「主人公 or DIE?」コールで一体感がさらに強まっていく。さらに2012年に発表された『Obscure Questions』は今回がライブ初演奏。その後のMCパートでピノキオピーは『Obscure Questions』について、「Obscureが“曖昧な”、Questionsが“どうして”なので」とセットリストに組み込んだ意図を明かした。ファンにとって待望の生披露に、曲終わりには客席から「最高!」「ありがとう!」の声が飛び交った。

 

 

MCではスクラッチ&サンプラー担当のRK、ドラム担当のサガットを紹介。そして関係者、観客への感謝を伝え、「CREATURES」もついに後半戦へと突入していく。

後半パート

『きみも悪い⼈でよかった – Live ver. -』では静かでゆったりとした曲調に合わせて観客が上げた腕を前後に振る。観客が腕につけたライトバングルの光が、幻想的な空間を創り出した。前曲の余韻を活かしつつ移行した『ノンブレス・オブリージュ』では、ピノキオピーが「息が詰まる」「息を止める」の高速歌唱で観客を魅せた。

不穏な歌詞とシンセアレンジが印象的な『キラースパイダー』では、ミステリアスな世界観で、蜘蛛の糸のように観客の心を逃さない。さらに、何度も失敗しながらも前に進もうとする歌詞が響く『転生林檎』、キャッチーなワードとメロディに加えてレーザー演出で観客をノセた『Honjara-ke』、サビで客席が一体となって手を左右に振る『Mei Mei』と、ライブ定番曲の数々でアイマイナとどうしてちゃんのアニバーサリーを盛り上げる。

『内臓ありますか』もピノキオピーのライブでは鉄板の曲。「内臓ありますか?」という問いに観客が「はい!」と返すコール&レスポンスは何度見ても楽しいシーンだ。途中、ピノキオピーからの「関係ないけど、大きな声で叫んでくれますか?『CREATURES』!!」というコールには、ひときわ大きな歓声が沸き起こった。

ここからは、ライブの主役をフィーチャーした2曲が続く。『アイマイナ』ではエメラルドグリーンのレーザー演出でアイマイナの空間を会場に作り出すと、『どうしてちゃんのテーマ+』では、ステージにどうしてちゃんが再登場した。歌詞に合わせて愛くるしい動きを見せるどうしてちゃん。ピノキオピーがどうしてちゃんの声を纏って「どうしてちゃんがここに存在するのどうして?」と発したアドリブもハマった。

 

 

最後の曲『祭りだヘイカモン』の祭り囃子が鳴り出すと、ステージ上にはアイマイナも加わった。途中、アイマイナのぬいぐるみをピノキオピーとRKがステージ上から客席に投げ込んだ。さらに同曲ではお約束となっている「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ、よいよいよいよい!」のステージと客席の掛け合いで会場のボルテージは最高潮に。そして、銅鑼をかき鳴らした後、「はじめましての人ははじめまして、ピノキオピー、ピノキオピー、ピノキオピーと申します!ありがとうございました!」と叫んでピノキオピーはステージを後にした。

アンコール

アンコールを受けて再び登場したピノキオピーは、「CREATURES」というタイトルに込めた思いを語る。
「『CREATURES』というタイトルなんですけど、クリーチャーには怪物感もありつつ、生き物という意味もあり、創造物ということもあるらしくて。創った、創られたものという意味もあるから、どうしてちゃん、アイマイナにいいなと思いまして、『CREATURES』というタイトルになりました」

「なので、曲もそういう雰囲気というか、ちょっとクリーチャーっぽい曲が集まっているセットにさせていただきました」と、アンコール1曲目として披露したのは、まさにそのとおりな『動物のすべて』。これには観客もラストスパートをかけるかのようにハンズアップして曲にノる。

次にかかったのは『忘れちゃったのどうして』。流れた映像は今回のライブのために新規に作られた。忘れてしまった子供のころの気持ちを思い出させる歌詞と、ノスタルジックな風景を髪をなびかせながら見つめるどうしてちゃん。聴覚と視覚から観客の心を揺さぶった。

そしてアイマイナとどうしてちゃんがステージに再登場し、ピノキオピーが「思えば、この2体も意味不明かもしれません。みなさんも意味不明ですか?」と問いかけて始まった曲は『ぼくらはみんな意味不明』。同曲ではおなじみになっているピノキオピーの「かかって来いよ!」という煽りで、フロアの揺れがさらに大きくなる。そして「やるしかねえだろ、『CREATURES』!」の叫びで熱狂が頂点に達する中、ピノキオピーは「KT Zepp Yokohamaに集まったことを数年後に思い出してください。またお会いしましょう!ありがとう!」と観客に感謝を伝え、ライブを締めくくった。

 

 

全27曲で構成されたライブはピノキオピーの世界観が凝縮された、まさに「CREATURES」=創造物たちの祝祭だった。
ハッピーアニバーサリー、アイマイナ&どうしてちゃん。ピノキオピーが創り出す“意味不明で曖昧な世界”は、これからも多くの人々の心を魅了し続けるだろう。

ピノキオピーコメント

ワンマンライブ「CREATURES」無事に終演いたしました!
会場へ足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
今回、15年の歳月を経て、ついにアイマイナ&どうしてちゃんと横並びでステージに立つ夢が叶いました!
あの空間を一緒に作り上げてくれたすべての人に、心から感謝します!
また次の場所でお会いしましょう!

「CREATURES」− Aimaina & Doushite 15th Anniversary −概要

日程 2025年10月11日(土)
会場 KT Zepp Yokohama
出演 ピノキオピー
RK
サガット
アイマイナ
どうしてちゃん
主催 株式会社HIKE

 

セットリスト※演奏順
ストレンジアニマル
T⽒の話を信じるな
神っぽいな
おばけのウケねらい
恋するミュータント
エゴイスト
はじめまして地球⼈さん – HUMAN ver. –
404
⼈間なんか⼤嫌い+
東京マヌカン
愛されなくても君がいる – LOVE remix –
愛属性
超主⼈公
Obscure Questions
きみも悪い⼈でよかった – Live ver. –
ノンブレス・オブリージュ
キラースパイダー
転⽣林檎
Honjara-ke
Mei Mei
内臓ありますか
アイマイナ
どうしてちゃんのテーマ+
祭りだヘイカモン

(アンコール)
動物のすべて
忘れちゃったのどうして
ぼくらはみんな意味不明

 

ピノキオピー プロフィール

2009年に動画共有サイトにてボーカロイドを用いた楽曲を発表し、ピノキオピーとして活動開始。

以降も精力的にオリジナル楽曲を発表しつつ、イラストやMVの制作、他アーティストへの楽曲提供など多方面で活動している。

ライブでは電子と肉体の共演・融合を基軸に、ドラムとスクラッチ&サンプラーをサポートメンバーに加えたバンドセットでのパフォーマンスを行っている。

公式サイト:https://pinocchiop.com/
公式Twitter:https://twitter.com/pinocchiop

アイマイナ

「曖昧」をモチーフにしたキャラクター。
無口。虚ろで曖昧な存在。

 

どうしてちゃん

「疑問」をモチーフにしたキャラクター。
疑問だらけの世界に「どうして…」と悩んでいる。
ピンク色の部分は耳毛。

お問い合わせ

株式会社HIKE
ピノキオピー ワンマンライブ 「CREATURES」お問い合わせ窓口
music@hike.inc

株式会社HIKEについて

所在地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿3丁目2-4 JRE西新宿テラス3階・4階
公式サイト:https://hike.inc/
代表者:代表取締役 三上 政高

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